Rd.2 鈴鹿サーキット

日程 2016.04.22 , 04.23
サーキット 鈴鹿サーキット (三重)
ライダー 津田 拓也
予選 2位
本戦 2位

全日本ロードレース第2戦が三重県:鈴鹿サーキットで開催された。今シーズンの開幕戦である第1戦の筑波ではJSB1000クラスが開催されなかったためヨシムラ スズキ シェルアドバンスレーシングチームにとってこの鈴鹿が開幕戦となる。

今シーズンを占う意味でも非常に大切な意味を持つ開幕戦、昨年、津田が圧勝のポール・トゥ・ウィンを飾ったこの鈴鹿で勢いをつけるべくチームはサーキット入りした。

今シーズンを闘うマシンGSX-R1000 L6は正常進化を続け、大きなところではサスペンションを一新した。
3月に行われた事前テストは生憎の雨、開幕までにドライコンディションの中でのテスト機会が少ない中ではあったが、チームはマシン開発を進めた。

迎えた開幕戦。今大会は「SUZUKA 2&4 RACE」として四輪レースSuper Formulaとの併催、さらに200kmのセミ耐久レースとなる。今年の鈴鹿8耐はFIM(国際モーターサイクリズム連盟)の規則変更によりエントリーの最大数が70チームとなった。最大20チームまでのFIM世界耐久選手権に年間エントリーするチームと昨年の鈴鹿8耐決勝上位20位まで、トップ10トライアルに参加したチームにはシード権が与えられる。もちろんヨシムラ スズキ シェルアドバンスはシード権を得ているがシード権を持たないチームは、トライアウトと呼ばれる選抜レースで結果を残さなければならない。
鈴鹿8耐トライアウトも兼ねている今大会はエントリー台数が81台にも達し、A、B、2つのグループに分かれて各セッションが行われることになった。津田はBグループの走行。

このレースウィークは木曜日に特別スポーツ走行が行われたが、Bグループの走行が始まってすぐに冷たい雨が落ち、午後に行われた2回目はフルウェット路面となった。翌金曜日のART合同走行は前日来の雨は朝方には上がったものの路面はウェットからハーフウェットに変わる難しい路面。午後のセッションは晴れ、しかしかなり風が強く走りづらい中で津田は2分7秒112のトップタイムで2日目を終える。

土曜日は、各グループ35分のセッションでタイムアタックを行いグリッドを決定する公式予選が行われた。
12:20、津田が走るBグループの予選がスタートした。津田は序盤の4周目にこのウィーク最速の2分7秒050と6秒台も見えるタイムでトップに立つ。さらにここからタイムを詰めるアタックをしたいところではあったが、ここまでマシンのセッティングに時間を費やしてきたので、決勝レースを見据えた7秒台から8秒台中盤のペースで周回することに徹した。津田の出した7秒050を超えるライダーは現れずBグループトップで予選を終え、A・B総合で津田は予選2番手となる。

迎えた決勝レース。前夜降った雨は朝方には上がったが、朝のウォームアップ走行はハーフウェット路面。
津田はコースインしたライダーで最多の12周を周回、最後の調整を行った。
天候は回復し、次第に好天となるが風が強く金曜日と同じ様なコンディションの中、12:45に、35周・200kmの決勝レースがル・マン方式でスタートした!
予選2番手の津田は一瞬遅れてしまい、4番手で第1コーナーに進入、前を行く山口選手(ホンダ)を追ってオープニングラップを4番手で通過する。2周目のデグナー1つめで山口選手を、ヘアピンの進入で柳川選手(カワサキ)をかわした津田は2番手に浮上、トップを行く高橋選手(ホンダ)を追いかけ、ついに最終シケインのブレーキングでかわしてトップ浮上!津田は3周目に2分7秒991と7秒台のタイムで周回、レースをリードする。
津田の背後、2番手につけてきたのがオープニングラップで6番手まで下がった中須賀選手(ヤマハ)。津田は中須賀選手を従えてトップを走行する。バックマーカーが出始めた12周目の130Rで中須賀選手が津田をかわしてトップ浮上、しかし津田はシケインのブレーキングで果敢に勝負を仕掛けるも、突っ込みすぎてオーバーラン、柳川選手にもかわされて3番手に下がってしまう。

その後、津田は16周目のS字で柳川選手を抜き返して2番手に戻る。18周目、津田がピットイン、チームは12秒63の速いピット作業で津田をコースに送り出す。津田は後半の走りを2分8秒中盤から後半の安定したペースで周回を続ける。
ゴールまで残すところ6周の29周目の最終コーナーで他チームのマシンが転倒、タイヤバリアに衝突したため赤旗が掲示され、そのままレース終了となり、津田は開幕戦を2位表彰台で終えた。

津田拓也 選手コメント

今年からサスペンションを一新しましたのでマシンは良くなってきていますが、どのように使いこなすかというデータがまだないのでチームと一緒になって試行錯誤しているところです。
事前テストを含め雨が多くマシンに乗れる時間が少ない中で予選を迎えたため、予選は一発のタイムを出しに行くと言うよりはバイクのことを知ると言う事を目標に臨みました。
今日のレースは、Super Formulaが走行した後なので路面状況が変わっていてグリップせず、決勝レースの序盤は”どんなペースが適切なのか?”を探りながらの走行となりました。結果に満足をしているわけではありませんが、現状の中でベストを出したと思います。

このオフシーズンは体幹を中心にトレーニングを強化して肉体面でも精神面でも強くなれるように努力しました。辻本さんにもトレーニングにつきあってもらいとても感謝しています。開幕戦はいつも緊張しますが今回は少し余裕がありました。今日のスタートも少し出遅れたのですが昨年までの自分だったら焦りが出てきたと思うのですが今日は冷静に一度引いてどうすれば良いか、を考える余裕がありました。
次戦ツインリンクもてぎ戦は事前テストもありますし、今日のデータをしっかり分析して次回は表彰台の1番高い所に立てるように頑張ります。

加藤陽平 監督コメント

全てが順調に上手くいったわけでもなく、大失敗をしたわけでもなく、現状の実力通りの順位だったかなと思います。今シーズンに向けてマシンは見えるところ、見えないところ、様々な改良を加えています。サスペンションを新しくしたことは見ため的にもマシン的にも大きな変更で我々も勉強しているところではありますが、今年中に中須賀選手に真っ向勝負を挑みたいと思っています。
このウィークはドライで走れる時間が少なくロングランもこなしていない中で決勝レースを迎えました。
今日の決勝中のラップタイムペースは路面コンディションのせいなのか、遅かったのですが、他のチームに比べて速いペースで走れたのでここまでやって来たことが間違っていなかったと思っています。
昨年は中須賀選手に一周につき1秒以上離されていました。今大会に当てはめれば29秒以上離されるところを7秒差であったところでも物語っていると思います。
次戦もてぎ戦までに今回のデータを基に我々にできることを精一杯やって臨みたいと思います。

尚、今回のレースにもたくさんのファンの方が応援に来てくださいましたが、私達のファンも多い九州、またオートポリスが近い熊本、大分両県で相次いで地震が起きてしました。
この未曾有の震災において被災された皆様にチーム一同心よりお見舞い申し上げます。
連日、新聞やテレビで痛ましい状況が報道されておりますが、一日も早く復旧されますようお祈り申し上げると共に、少しでも自分達にできる事を続けてまいりたいと強く感じております。

次戦の第3戦は栃木県のツインリンクもてぎ(5月29日 決勝)となります。
来月もヨシムラ スズキ シェルアドバンスレーシングチームの応援を何卒よろしくお願い致します。

JSB1000決勝レース正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1:03’03.694
2

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 +7.544
3 柳川 明 TEAM GREEN ZX-10R +15.416

JSB1000公式予選

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 2’05.799
2

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 2’07.050
3 高橋 巧 MuSASHi RTハルクプロ CBR1000RR 2’07.591

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 35P
2 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス 32P
3 柳川 明 Team GREEN 30P
4 野左根 航汰 YAMALUBE RACING TEAM 28P
5 山口 辰也 TOHORacing 26P
6 加賀山 就臣 Team KAGAYAMA 25P
7 高橋 巧 MuSASHi RT ハルク・プロ 24P
8 渡辺 一樹 Team GREEN 23P
9 渡辺 一馬 FCC TSR Teluru 22P
10 今野 由寛 MotoMap SUPPLY 21P

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