2022 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.1 ルマン24時間レース
日程 | 2022.04.15 , 04.16 |
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サーキット | ブガッティサーキット |
ライダー | シルバン・ギュントーリ / グレッグ・ブラック / ザビエル・シメオン / 渡辺 一樹 (リザーブライダー) |
予選 | 2位 |
本戦 | 1位 |
2022年FIM EWC開幕戦、ルマン24時間耐久レースをディフェンディングチャンピオンとして迎えたYOSHIMURA Suzuki Endurance Racing Team (SERT) Motulは、終始速さと安定感を維持し、チャンピオンチームらしい勝利でシーズンをスタートさせた。
安定した天候の中、グレッグ・ブラック、シルバン・ギュントーリ、ザビエル・シメオン各選手は23回のピットストップを経て、24時間で周回数840ラップを走行。ゴールラインでは接戦を繰り広げたヤマハファクトリーチーム(YART)に1分45秒582差をつけての優勝。有観客レースとしては3年振りの開催となり、多くの観客が見守る中でファンを沸かせるレースとなった。
2年連続の開幕戦となったフランスのルマン・ブガッティサーキットでの24時間耐久は、15:00に伝統のルマン式スタートにてレースが始まった。
スタートライダーとして定評のあるブラック選手は2番グリッドからスズキGSX-R1000Rをホールショットへと導きライバルに先行。その後レース序盤は始終3番手以内を走行する。その後、安定した速さでレース1/3にあたる8時間を過ぎた頃にトップへ浮上すると、信頼できるマシンと、チームメカニックによる素早いピットストップ、そして入念なレースプランを確実に遂行し、ポジションを維持し続けた。
夜間走行では各ライダーが計画通りに走行していく。強力なライバルの猛追に対し、常に一定のアドバンテージを確保し、日本とフランスの合同チームであるヨシムラSERT Motulはディフェンディングチャンピオンらしい安定感でレースを引っ張り続けた。夜が明けるタイミングではブラック選手が1分36秒195というラップレコードを記録し、レース後半に向けての更なる強い走りを予感させた。
24時間のうちに8回ものセーフティーカー導入があるなど波乱もあったレース展開だったが、コース上においてヨシムラSERT Motulのライダーは一切のミスをすることなくレースをコントロールし続けた。2回目のセーフティーカー導入時にギュントーリ選手がピットロード直前で燃料切れをおこすというハプニングもあったが、大事には至らず早急にリカバリー。ライダーの安定した走りとチームによる確かなバックアップはチェッカーが振られるまで揺るぎがなく、2年連続での開幕戦制覇を果たした。
優勝による40ポイントに加え、予選2位の獲得とレース8時間・16時間経過時の順位で得られるボーナスポイントにより、ヨシムラSERT Motulは、合計63ポイントを獲得。次戦スパ・フランコルシャン24時間耐久(ベルギー・6/4~6/5)にチャンピオンシップリーダーとして臨むことになる。
ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
なんという週末! なんというレース! うちだけではなく全てのチームのレベルの高さは感動的ですらありました。ヨシムラSERT Motulはライダー3人のパフォーマンスの高さに加え、ここにいる陽平(加藤チームディレクター)と日本にいるヨシムラスタッフ、そしてルマンを拠点とするSERTテクニカルチームとの総合力によりこの勝利を得ることができました。この格別に素晴らしいレースに関わった全てのメンバーに最高の結果をもたらしました!
加藤陽平 チームディレクター
ヨシムラSERT Motulはスズキファクトリーチームとして2年目のシーズン開幕戦をこの様な勝利でスタートすることができました。そしてチーム全体のパフォーマンスを高い次元で維持することができ、大変満足しています。
昨年の勝利と同じグレッグ、ザビエル、シルバンという素晴らしいトリオのライダーラインアップとチームスタッフが全力で戦い、再びルマン24時間を制することができました。
ここに至るまで日本でも昨年一年間を費やし、今シーズンに備えてきた甲斐がありました。
この後に続くシリーズもヨシムラとスズキ、そしてフランスのSERTとの連携をより強化しながら戦っていきたいと思います。
グレッグ・ブラック選手
昨年同様にスタートライダーを期待されていましたが、3月末のテストで転倒し、踵(かかと)を骨折してしまい一抹の不安がありました。レース当日までには何とか回復し、今年もホールショットを奪うことができ、良いスタートが切れました。その後はゴールまでハイペースで、とても信じられないようなハードなレース展開となりました。ライバル勢は非常に強く、我々は全てのスティントを全力でプッシュし続ける必要がありましたが、チームメイトの二人も最高の走りをし、チームメカニックの完璧なサポートによりトップチェッカーを受けられました。今日の結果はチームの良い働きによるものだと実感しています。
ザビエル・シメオン選手
チームのレース戦略が非常に優れていて、最小限のピットストップで最大限の走りをすることができました。コース上でのGSX-R1000Rは驚異的なポテンシャルを見せ、各ライダー共に良いラップタイムを刻むことができただけでなく、グレッグはレースレコードまで記録しました。しかしライバル勢も最後の最後まで強く、チェッカーが振られるまで気が抜けないハードなレースでしたね。
シルバン・ギュントーリ選手
今年のルマン24時間は、とても難しいレースとなり、同じ勝利でも去年とは別格の内容になりました。ライバルのステップアップに対し、我々も速さ、戦略、チームワークが高いレベルで求められましたが、チーム全員が完璧にそれをこなしました。GSX-R1000Rはライバルよりも燃費が良く、これも勝利の大切な要因でした。この週末はチームが一丸となって戦いました。このトロフィーを誇りに思います。
公式予選
順位 | チーム | マシン | 平均タイム |
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1 | YART – Yamaha Official Team EWC | YAMAHA YZF-R1 | 1:35.080 |
2 | ヨシムラSERT Motul | SUZUKI GSX-R1000R | 1:35.404 |
3 | F.C.C. TSR Honda France | HONDA CBR1000RR-R | 1:35.435 |
決勝レース結果
順位 | チーム | マシン | 周回数 |
---|---|---|---|
1 | ヨシムラSERT Motul | SUZUKI GSX-R1000R | 840ラップ |
2 | YART – Yamaha Official Team EWC | YAMAHA YZF-R1 | 840ラップ |
3 | F.C.C. TSR Honda France | HONDA CBR1000RR-R | 826ラップ |
ポイントランキング
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | ヨシムラSERT Motul | 63P |
2 | YART – Yamaha Official Team EWC | 55P |
3 | F.C.C. TSR Honda France | 49P |
4 | Team Bolliger Switzerland #8 | 35P |
5 | TATI TEAM BERINGER RACING | 28P |
6 | Team LRP Poland | 26P |
7 | ERC Endurance Ducati | 23P |
8 | WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR | 22P |
9 | TEAM GT ENDURANCE | 15P |
10 | VILTAIS RACING IGOL | 13P |
11 | MACO RACING Team | 12P |
12 | Kingtyre Fullgas Racing Team | 10P |
13 | Motobox Kremer Racing #65 | 2P |
14 | BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM | 2P |
15 | TECMAS | 1P |