2024 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.2 スパ8時間レース 決勝

日程 2024.06.07
サーキット スパ・フランコルシャン・サーキット (ベルギー)
ライダー グレッグ・ブラック / エティエンヌ・マッソン / ダン・リンフット
予選 3位
本戦 2位

ヨシムラSERT Motul チャンピオンシップのリードを堅持

ヨシムラSERT Motulは、今シーズン2戦目となるスパ8時間耐久レースで堅実かつ安定した走りを見せ、2位にてチェッカーフラッグを受けた。これにより貴重なチャンピオンシップポイントを獲得し、FIM世界耐久選手権のリードを維持した。

開幕戦ルマン24時間を見事制したヨシムラSERT Motulは、2番手で追ってくるライバルに9ポイント差でスパ8時間レースに臨んだ。今シーズン、シリーズチャンピオン奪還に挑むチームは予選で3番手を獲得し、決勝グリッドについた。

13時にレーススタートの合図となるフラッグが振られると、スタートライダーのグレッグ・ブラックは得意のダッシュでホールショットを決める。そこからは予想通り、ペースの速いライバル4強でのバトルが繰り広げられる。続くエティエンヌ・マッソン選手、ダン・リンフット選手もそれぞれのスティントでスズキGSX-R1000Rをハイペースで走らせ、優勝を狙える表彰台圏内で力強い走りを見せた。

ヨシムラSERT Motulの迅速なピットストップは有名だが、今大会でもその期待を裏切らず、ライダー交代のタイミングでもライバルとの差をつけていった。

予選までのコンディションと大きく変わったのが路面温度で、ライバルや他の参戦チームでの転倒が相次いだ。ヨシムラSERT Motulもタイヤグリップのフィーリングが変わったというライダーからコメントがあったが、ペースを保ちつつ安定した走りを続けていった。

3人のライダーは最後までプッシュし続け、8時間を終えてトップとの差は僅か40.145秒で2位のチェッカーフラッグを受けた。

加藤陽平 チームディレクター
全力で戦ったので2位という結果に悔しい部分はありますが、トラブルもミスのなく終えられて満足しています。トップをいくYARTがうちよりも1回ピットストップを多くするのは分かっていたので、同一ピット回数のタイミングでは40秒以内の差をキープすることが目標でした。決勝は想定よりも暑く、そこでの苦戦からタイムを刻むことができずに差を広げてしまいました。それでも堅実なレースを行うことができ、ポイントもしっかり獲得できました。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
スパでの勝利に向けて今週は懸命に取り組みました。8時間という短いレースを強力なライバル達と争うので最低でも表彰台フィニッシュを目標に掲げていたので、ミッションは達成しました。3名のライダーもクルーも安定していて、特にピットストップではチームの力を最大限に活用できたと思います。結果は2位ですが、シリーズチャンピオンを目指しているので、この結果には満足しています。またポイントリーダーとして鈴鹿に行けるのはチームだけでなくヨシムラにとっても重要なことです。

グレッグ・ブラック [ライダーブルー]
過去2回のスパでのレースは2度とも4位だったので、今年は絶対に表彰台を獲得するつもりで挑みました。もちろん常に優勝は目指していますが、チャンピオンシップが最優先なのでリスクを犯さず堅実に2位を獲得しました。スタートは上手くいき、マシンもパフォーマンスを発揮し、ピットワークもいつもながらの素晴らしい作業を行ってくれましたが、難しい路面コンディションでした。まずはミスなくレースを終え、8時間を終えてトップとも僅差でチェカーを受けられたので良かったです。

エティエンヌ・マッソン [ライダーイエロー]
表彰台の2位獲得は決して悪い結果ではないのですが、本音を言えば優勝できなかったことに少し悔しさを感じています。決勝は暑さのため予選と同じフィーリングが掴めず、パフォーマンスを発揮できない中で懸命に走り続けました。終盤は良いペースで安定した走りに戻れましたが、トップをいくライバルには届きませんでした。それでも全体を通して良いパフォーマンスを発揮できたので、続く鈴鹿8耐でも強さと速さをみせていきたいと思います。

ダン・リンフット [ライダーレッド]
ミスなくレースを終えて27ポイントを獲得し、チャンピオンシップのリードを保っている事が良かった点です。もちろん勝つためにここに来たのですが、トップとの差も僅かで2位でチェッカーを受けられたので、この表彰台のポジションを誇りに思います。今回は粘り強さで2位をキープできたので、さらに上を目指すためにパフォーマンス向上の努力を続けていきます。チームもマシンもとても良い状態なので、次回の鈴鹿も集中して臨みます。

予選

順位チームマシンベスト平均タイム
1YART YAMAHAYAMAHA YZF-R12’18.587
2F.C.C. TSR HONDA FranceHONDA CBR1000RR-R2’19.278
3ヨシムラSERT MOTULSUZUKI GSX-R1000R2’19.357
4BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M10000RR2’19.820
5HONDA VILTAIS RACINGHONDA CBR10002’20.287

決勝

順位チームマシン周回数
1YART YAMAHAYAMAHA YZF-R1201
2ヨシムラSERT MOTULSUZUKI GSX-R1000R201
3TATI TEAM BERINGER RACINGHonda CBR 1000 RR-R198
4F.C.C. TSR HONDA FranceHONDA CBR1000RR-R197
5HONDA VILTAIS RACINGHONDA CBR1000196

ポイントランキング

順位チームマシンポイント
1ヨシムラSERT MOTULSUZUKI GSX-R1000R88
2YART YAMAHAYAMAHA YZF-R187
3TATI TEAM BERINGER RACINGHonda CBR 1000 RR-R54
4BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M10000RR53
5TEAM BOLLIGER SWITZERLAND #8Kawasaki ZX-10R43
6KAWASAKI WEBIKE TRICKSTARKawasaki ZX-10R39
7BMRT 3D MAXXESS NEVERSKawasaki ZX-10R38
8MOTOBOX KREMER RACING #65YAMAHA YZF-R133
9KM 99YAMAHA YZF-R129
10F.C.C. TSR HONDA FranceHONDA CBR1000RR-R26

今大会では予選での3ポイントと決勝での24ポイントを獲得し、チームは総合88ポイントとしてチャンピオンシップのリードを守った。

次戦はいよいよ7月19日から21日に開催される鈴鹿8時間耐久になる。


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