Rd.4 筑波サーキット

日程 2013.06.28 , 06.29
サーキット 筑波サーキット (茨城県)
ライダー 津田 拓也
予選 2位
本戦 優勝

レポート

津田拓也、独走でJSB初優勝!

前戦オートポリス大会からすぐに鈴鹿8耐テスト、そして筑波大会の事前テストと、目まぐるしい日程となった全日本ロードレース。
ヨシムラスズキレーシングチームの津田拓也にとっては、雨のオートポリスでの6位入賞から、鈴鹿8耐テストではトップタイム、そして筑波大会の事前テストでも好タイムをマークしての筑波入り。
ここ筑波は2012年にST600クラスでポールtoウィンを飾った、相性のいいサーキットだ。

「筑波の事前テストは、2日間とも雨がパラついたり、それからドライ路面になったりというコンディションだったのですが、しっかり走り込みができました。 開幕戦とオートポリスは雨、鈴鹿2&4ではレース中にセーフティカーが介入するという展開で、なかなかドライでレースを走り切るというケースがないので、筑波はとにかく晴れてほしい。 せっかくヨシムラのマシンに乗せてもらっているのに、最高位が6位では納得できません」(津田)

その願いがかなってか、筑波大会は金曜日の合同走行から決勝レースまで通してドライコンディション。
金曜の合同走行でのタイムは3番手だったものの、トップタイムからわずか0秒6差。
1周をわずか1分弱で周回する筑波サーキットならではの僅差タイムだ。
ノックアウト方式が採用された公式予選では、全26台のエントラントのトップ10が最終セッションに進出するシステムのなか、津田は難なく2番手で第1セッションをクリア。
最終セッションでも2番手タイムをマークし、津田は開幕戦以来のフロントローを獲得。
55秒808というタイムは、事前テストから通しての、津田のベストタイムだ。

「マシンは大きく変更せず、とにかく走り込みました。 何回かタイムアタックし、レース全体のアベレージを考えてのベストタイムだったので、55秒台に入れたのは大きかった。 特に筑波は抜きどころが少ないので、1列目に並ぶのは絶対条件ですからね。 レースは中須賀さんとの争いに持ち込んで、きちんとついていける展開に持ち込めたら、勝機もあると思います」(津田)

決勝レースでは、フロントロースタートの津田が好スタートを見せ、ホールショットを獲得。
以下、2番手以下は中須賀(ヤマハ)、加賀山(スズキ)、山口(ホンダ)、高橋(ホンダ)、柳川(カワサキ)、渡辺(カワサキ)というオーダー。
津田はオープニングラップからハイペースを維持し、中須賀とともに3番手以下を引き離しながらのトップ争いを展開することとなる。
レース序盤、津田と中須賀との差は詰まる局面もあるものの、背後につかれるまでもなく津田がレースをリード。
しかし、7周目に中須賀がマシントラブルで後退し、リタイヤすると、レースは津田の独走。
2番手以下には、高橋、柳川、加賀山、山口というオーダーが続くが、津田は周回遅れが発生したレース中盤以降もトップを死守し、2番手高橋との間に常にセーフティリードをキープ。
結局、そのまま30周を走り切って今シーズン初優勝を達成。
この優勝は、津田にとってJSBクラスにステップアップした初年度での優勝であるとともに、ヨシムラにとっては、2009年10月のもてぎ大会以来、4年ぶりの栄冠となった。

コメント

津田 拓也 選手コメント

「やっと勝つことができました!今シーズンはヨシムラのマシンに乗せてもらえることになって、テストや事前練習ではスピードを見せることはできても、そ れがなかなか決勝につながらない歯がゆい展開で、とにかくドライでレースを走り切って、自分の今のポジションをしっかり確認したい、という思いがずっとありました。それがかなって、恵まれた展開とはいえ、ラッキーをうまくつかんで、優勝することができた感じです。レースはとにかくスタートに集中して、うまくホールショットを獲れたのがよかった。中須賀さんと一騎打ちになるだろうな、とは思っていたし、その通りの展開の中、一度でも前に出したら抜きどころが ない、と思っていたので、スタートから全力で逃げました。予選、決勝を通じてタイムもよかったし、中須賀さんがトラブルでリタイヤしたとはいえ、自分のペースでしっかり走り切ることができました。なにより、チームのみんなに優勝という結果を持ち帰ることができてうれしいですね。うれしさより、結果を出せ たことがホッとできたというか、チームのみんな、そして筑波に来てくれていたファンのみなさんが喜んでくれる姿を見て、ちょっと泣きそうになりました。いい勢いをつけられたので、次はこのまま鈴鹿8耐に集中していきたいです。」

加藤 陽平 監督コメント

「やっと結果を出してくれましたね!ドライでは速さを見せていたけど、レースは雨が降ったり、まわりのライダーがいたりで、なかなか自分の思うような結果だけを出せるものではないし、今シーズンはここまでそれを痛いほど勉強してきた。この筑波大会では、ドライのレースになれば表彰台争いはできるかな、と思っていましたが、まさか初表彰台が初優勝とは思いませんでしたね。予選からレースを想定して走っていたようだし、ミスなく走行を積み重ねて、それが決勝 日の優勝につながった、という感じですね。チームスタッフもいい状態のマシンを渡してあげられたし、拓也は拓也で、スタートからうまく飛び出せて、中須賀 君との一騎打ちに持ち込めたのがよかった。独走になってからは、どういうペースで走ればいいのか分からないんじゃないかな、と心配しましたが、うまく自分 のペースで走っていましたね。8耐前にひとつ結果を出してくれたのはよかった。この勢いをそのまま鈴鹿に持ち込んで、青木宣篤選手、ジョシュ・ブルックス 選手と力を合わせて優勝に向かっていきたいですね。」

JSB1000決勝レース正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム GSX-R1000 28’28.579
2 高橋 巧 MuSASHI RTハルクプロ CBR1000RR +2.159
3 柳川 明 TEAM GREEN ZX-10R +5.068

JSB1000公式予選

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 0’55.771
2 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム GSX-R1000 55.808
3 渡辺 一樹 TEAM GREEN ZX-10R 56.304

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 高橋 巧 MuSASHI RTハルクプロ 78P
2 柳川 明 TEAM GREEN 76P
3 秋吉 耕佑 F.C.C.TSRホンダ 72P
4 加賀山 就臣 TeamKAGAYAMA 71P
5 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム 67P
6 中須賀克行 ヤマハYSPレーシングチーム 61P
7 山口 辰也 TOHOレーシングwithモリワキ 60P
8 今野 由寛 MotoMapサプライ 50P
9 藤田 拓哉 DOG-FIGHTレーシングYAMAHA 44P
10 吉田 光弘 Honda熊本レーシング 35P

全日本ロードレース第6戦「菅生大会」は8月24日、25日に行われます。


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