Rd.9 鈴鹿サーキット

日程 2013.11.01 , 11.02
サーキット 鈴鹿サーキット (三重県)
ライダー 津田 拓也
予選 予選1:2位/ 予選2:3位
本戦 レース1:3位/ レース2:7位

レポート

津田拓也、ランキング4位でシーズンを終了

ついに最終戦を迎えた全日本ロードレース選手権。MFJグランプリと銘打って行なわれた鈴鹿大会は、JSB1000クラスが2レース制で行なわれ、ここまでランキング4位につけている、ヨシムラスズキの津田拓也にとっては、逆転チャンピオンも十分射程距離となる一戦。同時に、今シーズンからヨシムラスズキに加入し、全日本ロードレースのトップカテゴリーにデビューした津田にとっての、一年の締めくくりとなるレースだ。

「チャンピオン争いとか、ポイント的にどうというよりも、とにかく勝ちたいです。ここ鈴鹿は、春に2&4もあったし、8耐でもずいぶん走り込みましたから、ルーキーだからとか、走り慣れていないとかいう言い訳が通用しないコース。だから今の僕の力を全部出し切って走りたいです。」(津田)

このレース、通常行なわれている事前テストはなく、レースウィークが木曜日からスタートする変則スケジュール。木曜の特別スポーツ走行、金曜の合同走行と、津田は4番手タイムをマーク。タイムは、早くも木曜に2分08秒台に入り、金曜には2分07秒台へ。

そして土曜日の公式予選はノックアウト式で行なわれ、Q1の成績がレース1の、そしてQ2の成績がレース2のスターティンググリッドとなる。津田はQ1で 2分06秒578をマークして2番手に、そしてQ2では2分06秒817をマークして3番手へ。日曜の決勝レースでは、両レースともフロントローからのスタートとなった。
ちなみにQ1のタイムで、津田は鈴鹿での自己ベストタイムを更新。これまでは、鈴鹿2&4での2分07秒931、鈴鹿8耐トップ10トライアルでの2分06秒960(耐久仕様マシン&予選用タイヤ)がベストタイムだった。

日曜の決勝レースは、心配されていた雨はなく、くもり空でのスタート。

レース

レース1

フロントローからスタートした津田は、秋吉(ホンダ)、中須賀(ヤマハ)に続く3番手あたりでオープニングラップをスタート。オープニングラップから先行 の2台にやや引き離されてしまい、津田は高橋(ホンダ)、柳川(カワサキ)と3番手争いを展開。この3台の争いのペースがトップ2台を上回り、5周目あたりにはトップグループが5台に膨れ上がる。
津田は一時5番手まで転落するものの、このトップグループで力負けすることなく、周回ごとにポジションを入れ替えながら11周目には秋吉をかわして2番手 に浮上。それでも後続を引き離すまでには至らず、柳川の先行を許して3番手へ。しかし最終ラップに入る頃に2番手に浮上し、このまま逃げ切りを図ろうとし たものの、転倒車両がコース上に残ったことでレースは赤旗中断から、そのままレース終了。1周前の順位がリザルトとされるため、津田は3位フィニッシュと いう裁定が下った。

レース2

フロントロー3番手スタートの津田がスタートをミスし、8番手あたりでオープニングラップをスタート。すぐに追い上げを図り、4周目あたりまでに5番手まで追い上げるものの、ここでコースに降雨を意味するレッドクロスフラッグが提示され、コースの一部に雨が降り始める。
雨脚がやや強くなり始めた5周目には、トップを走るライダーが走行続行の危険をアピールすべく挙手し、トップグループが一瞬スローダウン。しかし、レースディレクションから続行や走行中断の提示はなく、レースは続行。トップグループのオーダーは大きく入れ替わり、渡辺(カワサキ)、中須賀、高橋、山口(ホ ンダ)、柳川、秋吉、酒井(BMW)に続き、津田は8番手あたり。そこから再びペースアップするものの、一瞬とはいえスローダウンしたことでタイヤ温度を下げてしまい、思うようにペースを上げられないまま7位でフィニッシュとなった。

今大会、ランキング4位で最終戦をスタートした津田は、2レースで40ポイントを稼ぎながら、ランキング4位のままシーズンを終了。
JSBルーキーとしてはトップの成績を収めたシーズンとなった。

コメント

津田 拓也 選手コメント

「シーズンの最終戦だというのに、不完全燃焼なレースをしてしまいました。レース1は赤旗提示前に2位まで上がれたんですが、その時点でトップの中須賀選 手に引き離されていたし、レース2は気温も路面温度も低い中、序盤からチャタリングもあってペースを上げられず、一度ペースダウンした時にタイヤを冷やしてしまったので再ペースアップが上手く出来ず、7位で終わってしまいました。これも、不意のコンディションの変化で思うようにペースを上げられないという 課題が露呈してしまって、うまく対応できませんでした。今年からヨシムラで走らせていただくことになって、1年の集大成のレースにしたかったのに、残念です。今年1シーズン、勝てる体制を作っていただきながら、筑波で1勝しかできず不甲斐ない気持ちです。それでも、JSB1000のトップライダーの中で戦うことで、上位陣のライダーの走りを間近に見ることができたり、走り方をはじめ、マシンのセットアップの仕方やレースのペースメイクの仕方をすごく勉強で きた1年になりました。どうしてもJSB1000の経験が足りない分、不意のコンディションへの対応やマシンのセットアップの積み重ね、タイヤの使い方など、自分の課題も見つかったので、ここを克服して来シーズンはシーズンはじめから優勝争い、チャンピオン争いを出来るライダーになっていたいと思いま す。」

加藤 陽平 監督コメント

「今年から全日本選手権に復帰するということで、津田君をライダーに据えて1年間の積み重ねがきちんと出来たシーズンでしたね。全日本復帰で、ヨシムラの大きな目標のひとつである鈴鹿8耐に向けての準備も継続して出来たし、津田君も少しずつ力をつけて1シーズンを走り切ってくれた。開幕直後こそまだ経験不足の面も見えましたが、それは僕らチーム側も同じこと。少しずつ上位陣をコンスタントに走ることができるようになったし、筑波では優勝もしてくれました。 ドライでのスピードはつねに上位にいましたし、シーズン後半には、もう彼をルーキー扱いする人もいなくなりましたから、それだけ評価も高かったんだと思います。厳しい見方をすれば、まだまだ足りませんし、ヨシムラのライダーとしてもっとやってもらわなきゃ困りますが、1年目として良くやってくれたと思いま す。2年目はもっと良くなることを目指して、より厳しくチャンピオン争いをしていきたいですね。今シーズン、ヨシムラスズキレーシングチームを応援して頂 いた協力企業の方々、そして何よりもファンの皆様、たくさんの御声援を頂きまして誠に有難う御座いました。今後ともご支援、ご声援宜しくお願い致しま す。」

JSB1000決勝レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 29’47.503
2 柳川 明 TEAM GREEN ZX-10R +3.158
3 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム GSX-R1000 +3.241

JSB1000決勝レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 36’07.671
2 柳川 明 TEAM GREEN ZX-10R +3.999
3 渡辺 一樹 TEAM GREEN ZX-10R +6.162

JSB1000公式予選結果 Race1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 2’06.485
2 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム GSX-R1000 2’06.578
3 秋吉 耕佑 F.C.C.TSR Honda CBR1000RR 2’06.640

JSB1000公式予選結果 Race2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 2’06.226
2 高橋 巧 MuSASHi RT ハルク・プロ CBR1000RR 2’06.661
3 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム GSX-R1000 2’06.817

JSB1000最終ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀克行 ヤマハYSPレーシングチーム 167P
2 柳川 明 TEAM GREEN 166P
3 高橋 巧 MuSASHI RTハルクプロ 158P
4 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム 147P
5 山口 辰也 TOHOレーシングwithモリワキ 117P
6 秋吉 耕佑 F.C.C.TSRホンダ 112P
7 渡辺 一樹 TEAM GREEN 106P
8 藤田 拓哉 DOG-FIGHTレーシングYAMAHA 99P
9 今野 由寛 MotoMapサプライ 79P
10 加賀山 就臣 TeamKAGAYAMA 71P

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