Rd.8 鈴鹿サーキット

日程 2019.11.01 , 11.02
サーキット 鈴鹿サーキット (三重)
ライダー #12 加賀山 就臣 / #26 渡辺 一樹
予選 予選1: 8位 /予選2: 11位
予選1: 6位 /予選2: 6位
本戦 レース1: 7位/レース2: 7位
レース1: 6位/レース2: 4位

2019年最後のラウンドが三重県鈴鹿サーキットで開催された。レースウィーク初日に、今大会が加賀山就臣のヨシムララストレースと発表された。その走りで多くのファンを魅了している加賀山。ヨシムラとの繋がりは2003年の鈴鹿8時間耐久ロードレース参戦に始まり、以後数多くの成功を収めてきた。特に2007年はヨシムラに27年ぶりの3回目の鈴鹿8耐優勝をもたらし、ヨシムラ歴史の中で立役者となった。今シーズンはヨシムラスズキのレース活動及びマシン開発を進めるためにチームに加入、牽引役を果たした。チームメイトの渡辺一樹も加賀山の加入を喜び、自らを鼓舞した。今シーズンは表彰台まであと一歩のところまで近づいた。
今シーズン最後のレースとなる鈴鹿サーキットには多くのヨシムラファンが詰めかけた。
ヨシムラはレース参戦以来プライベーターとして闘ってきた。今年はふたつのメーカーファクトリーを相手に闘いを挑んできたが、メーカーのマシン開発に対してプライベーターができる事は限られてくる。その中でチームは最大限の努力をしてマシン開発を進めている。その一環として今回はマシンの軽量化を図った。目に見える所から見えない細かいところまで徹底的に行いキログラム単位で軽量化、目標としていた車重まで削ったマシンで鈴鹿に乗り込んできた。
今大会は木曜日の特別スポーツ走行からレースウィークがスタートした。午前と午後の30分ずつの時間しか無かったが加賀山と渡辺はマシンの確認をしながら精力的に走り込む。軽量化に好感触を得ていた加賀山は2分6秒712がベストタイム、渡辺は2分7秒477。しかし加賀山が走行中に最終コーナーでハイサイド、なんとか転倒は免れたが上から落ちるときにタンクに胸を強打。恐らく肋骨にヒビが入っているのではと思われる。

翌金曜日のART合同走行。この日も30分の走行枠2本。それぞれタイムを上げて加賀山2分6秒458、渡辺2分6秒518とするが思ったようにタイムは伸びなかった。特に渡辺は春の2&4で2分4秒台を出しているだけに満足の行くタイムではなかった。
迎えた公式予選。朝から爽やかな好天。午前中にレース1の予選、午後にレース2の予選を行い、決勝日に2回決勝レースを行う通常とは違うスタイルとなる。Q1、渡辺は2分6秒212、加賀山は2分6秒389までタイムを詰めるが、6番グリッド、8番グリッドであった。
午後に行われたQ2、コンディションが変わったのか全体的にタイムが伸びなかった。渡辺は2分6秒166とタイムを削るも6番グリッド、加賀山は2分7秒509で11番グリッドを獲得した。
加賀山は胸の痛みを抱えながらの走行。渡辺のエンジン制御のアップデートは一発のタイムを出す予選よりは決勝レースに向けた仕様であった。とは言えもう少しタイムは出るかなと思いました、と加藤陽平監督。

決勝日、一時雨が降るかもしれないという予報であったが午前中は晴れ。午前11時15分、14周によるレース1がスタートした。2列目イン側の渡辺はスーッとアウト側に寄せて3番手で1コーナーに進入する。2コーナー立ち上がりで前を走る高橋巧選手と野左根航汰選手が接触、オーバーランする間に中須賀克行選手に続いて2番手で東コースを駆け上がる。3列目真ん中8番グリッドの加賀山は7番手で1コーナーに進入する。オープニングラップ、渡辺は3番手、加賀山は5番手で通過する。
加賀山は2周目に2分6秒306のベストラップを刻み5周目まで5番手をキープしていたがその後2分7秒から8秒台のラップタイムペースで周回、一時は8番手まで順位を落とすがラスト2周で2分7秒1までペースアップ最後の踏ん張りで7位チェッカーを受ける。渡辺は序盤に2番手争いを展開するが4周目に6番手まで後退する。6周目に2分6秒516のベストタイムをマークすると2分6秒台で周回、6位でチェッカーを受ける。

レース2は20周の長丁場。15時15分にスタートした。2列目6番グリッドの渡辺はアウト側にマシンを寄せて6番手で1コーナーに進入する。4列目11番グリッドの加賀山はフロントを上げながらも好スタートを切り3つ順位を上げてオープニングラップを終える。
渡辺は3周目に5番手に上がるとヤマハファクトリー2台を追いかける。5周目に1秒175あった差が6周目には0.189秒と一気に近づく。2分6秒156のベストタイムをマークするとその後もずっと6秒台でラップする。今までならファクトリー勢に追いつくことはできてもその後はペースを上げられずジリジリと後退していくのだが、今回はヤマハファクトリー2台と同等、もしくはそれよりも速いラップタイムで周回、五角に渡り合う。17周目には中須賀選手を抜き去り、翌周には野左根選手をもパスしてついにヤマハファクトリーを押さえて2番手に浮上する。しかし17周目の130Rで抜き返された野佐根選手の前に出ようとして止まりきれずにオーバーラン、4位でチェッカーを受ける。
加賀山はレース中盤まで8番手を走行。5周目に2分7秒626のベストタイムを刻むものの、7秒中盤から8秒前半のタイムでペースを上げられずひとつ順位を上げる7位でゴールした。

ヨシムラスズキMOTULレーシングの2019年の挑戦はシリーズランキング5位:渡辺、7位:加賀山と言う結果で終わりました。決して満足はできるものではありませんが今ある自分たちの環境、条件の中で最大限のチカラを発揮してきました。
そしてなによりも、多くのヨシムラファンの熱い声援が我々の後押しとなっておりました。
今年、一年間の応援、本当にありがとうございました。これからもヨシムラは飽くなき挑戦に挑み続けます。これからも皆さまからの熱いご声援を何卒よろしくお願い致します。

加賀山就臣 選手コメント

ヨシムラで走るラストレース、なんとしても表彰台に上がるために何をすれば良いのか、どんなスケジュールで進めれば良いのか、を考えながらウィークに入ったのですがスケジュール通りには進みませんでした。木曜日の走り出しから公式予選とタイムが思うように伸びず、決勝レースも7位(レース1)、7位(レース2)と言う結果で表彰台争いから遠いところで終えてしまいました。マシンのアジャストもライダーとして乗りこなすこともできず悔しい思いでいっぱいです。金曜日の走行中、最終コーナーでハイサイドを起こして転倒は免れたもののバイクのタンクの上に胸から落ちてしてしまい、痛みが強かったことが想定外の事態でした。
今シーズン、ヨシムラというチームで走らせてもらったことに感謝の気持ちでいっぱいです。昨年末、チームから一緒にバイクを造ってみないか、と声をかけてもらったことを光栄に思います。それに応えるべく覚悟を持って加入したのですが、バイクのポテンシャルを上げることができず結果としてチームの期待に応えられなかったことが非常に悔しく、申し訳ない気持ちです。ヨシムラというチームの奥深さとファンの熱い応援に感銘しましたし、この1年間の経験は自分の貴重な糧となりました。この経験を今後の活動に活かしていきたいと思います。
1年間、本当に応援をありがとうございました。引き続きヨシムラスズキMOTULレーシングへの熱いご声援を何卒よろしくお願い致します。

渡辺一樹 選手コメント

前戦オートポリスの後にチームはバイクの造り込みや制御面の取り組みなどいろいろと新しいことを取り入れてくれました。ですが初日・二日目の時間を使っても思うようにタイムを伸ばせず、春の2&4で出した4秒台には及ばないタイムで予選を終えました。レース1は2位を走りはしましたが序盤の混乱、高橋巧選手、野左根選手がいない中での走行でした。事実ラップタイムペースも上がらずレース2に向けて調整が必要だと感じたレースでした。レース2はやや大きめな変更をして臨み、ヤマハファクトリーの2台の後ろにつけることができました。当初はすぐに離されるのでは、と思いましたが最後まで2位争いができる位置にいられたことはポジティブに考えています。この位置にいながら何もせずに終えるのはイヤだったし、駆けつけたヨシムラファンの前でここまでカタチになったバイクのパフォーマンスを見せたかったので最後に仕掛けましたが及びませんでした。ですがチームを信じて走ることに価値があると思いますし、その価値を今年最後のレースで見せられたことは嬉しく思います。ここまでマシンをセットアップしてくれたチームに感謝です。
今シーズン、表彰台に乗ることもできましたが、やはりファクトリー勢との差は大きく、ファンの皆さまの前で良いレースができずにいたのが悔しかったのですが、最後のレースでファクトリー相手に戦えるところを見せられたことは良かったと思います。これもファンの皆さまからの熱い声援があったからこそだと思います。本当に1年間応援をありがとうございました。
そしてこのレースが最後となる加賀山選手がいなくなるのはすごく寂しいです。チームをまとめ上げてひとつの方向に導くチカラはとてつもなく強いと感じました。1年間、一緒に走れて勉強になりました。これを糧に自分の走りに生かしていきたいと思います。

加藤陽平 監督コメント

我々プライベーターにできるアップデートは常に行ってきました。渡辺選手は前戦オートポリスから、加賀山選手は今回からエンジン仕様をアップデートしました。軽量化に関してもターゲットを決めて取り組み、一部トリッキーなところもありますが目標としていた車重を達成することができました。
加賀山選手は木曜日の走行中にハイサイドして転倒はしなかったのですが胸を強打してしまい、決勝レースは痛み止めを注射して臨むような状態でしたので厳しいウィークだったのではないかと思います。今回のレースも含めて思っていたような結果は残せませんでしたが、過去も含めて現在も加賀山選手ではなければできないことを我々チームにもたらせてくれました。1年間一緒できたことに非常に感謝しています。今後もヨシムラとして加賀山選手の走りを精一杯サポートしていきたいと思います。
渡辺選手はこれまで本当の意味でファクトリー勢に立ち向かうことができなかったのですが、今回ヤマハファクトリーの2台に最後の最後まで勝負できたことは我々チームの励みにもなりましたし、駆けつけた多くのヨシムラファンにも喜んでもらえたので感謝しています。これを来年以降の我々の活動に活かしていきたいと思います。
ファンの皆さまに満足いただけるような走りをご覧に入れることができなかった一年間でした。
最終戦、加賀山選手のヨシムラでのラストレースにたくさんの暖かい声援をいただきましたし、渡辺選手のレースはみなさまにヨシムラスリピリッツご覧いただけたのではないかと思います。
一年間、本当に熱いご声援をありがとうございました。
来年は毎レース、結果を残せるように頑張っていきますので引き続きご声援の程を何卒よろしくお願い致します。

JSB1000決勝 レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 29’28.081
2 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +5.928
3 水野 涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda CBR1000RR SP2 +6.036
 
6

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +10.955
7

加賀山 就臣

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +20.061

JSB1000決勝 レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 42’03.844
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +14.986
3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +15.273
4

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +17.780
 
7

加賀山 就臣

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +44.282

JSB1000公式予選1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 2’03.592
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +0.684
3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +1.488
 
6

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +2.62
 
8

加賀山 就臣

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +2.797

JSB1000公式予選2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 2’04.385
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +0.119
3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +0.231
 
6

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.781
 
11

加賀山 就臣

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +3.124

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 264P
2 高橋 巧 Team HRC 258P
3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 247P
4 水野 涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda 218P
5 渡辺 一樹 ヨシムラスズキMOTUL 186P
6 渡辺 一馬 Kawasaki Team GREEN 181P
7 加賀山 就臣 ヨシムラスズキMOTUL 169P
8 秋吉 耕佑 au・テルルMotoUP RT 143P
9 岩戸 亮介 Kawasaki Team GREEN 131P
10 前田 恵助 YAMALUBE RACING TEAM 120P


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