MFJ Superbike Rd.5 Suzuka Circuit
Schedule | 2020.10.30 , 10.31 |
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Rider | Kazuki Watanabe |
Qualifying | Q1:3th Q2:3th |
Final | Race1:3th Race2:3th |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔み申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。
今シーズンは新型コロナウィルスの感染拡大の影響で鈴鹿8耐が中止、全日本ロードレースも開催数が減った中、このウィーク中(10月31日)に発表した世界耐久選手権(EWC)シリーズへの参戦準備の為、鋭意マシン開発を進めてきた。今回、その成果を確かめるべく全日本ロードレース最終戦鈴鹿にスポット参戦した。
▼10/29(木) 特別スポーツ走行
来季EWC向けのパッケージは、走行初日からその成果を感じられるポテンシャルを発揮した。特別スポーツ走行では1本目で2分06秒458をマークしてトップに立ち、レースウィークへの入りのタイムとしては上々の滑り出しとなった。
▼10/30(金) ART合同走行
午前中の1本目はユーズドタイヤでマシンの細かい部分の確認とセットアップの詰めに充てた。午後の2本目ではいきなり2分5秒台の2分05秒766に入れてリーダーボードのトップに立つ。その後も2分5秒台を連発、トラックが混雑している中でも2分6秒台前半で周回する。トップとのタイム差も少なく良いアベレージタイムで周回、ART合同走行は総合3番手につけた。
「コンディションに左右されずに良いパフォーマンスを発揮する」これはヨシムラが目指してきたマシンの方向性だ。「新しいタイプのエンジンを含めトータルパッケージの高さが好影響を及ぼしている」と渡辺はコメント。予選に向けて好感触を得た。
▼10/31(土) 公式予選
朝は冷え込んだが快晴で、10時5分からの予選時には暖かくなってきた。2レース制の今大会は、決勝レース1のグリッドは各ライダーのベストラップタイム、決勝レース2のグリッドはセカンドラップタイムで決定する。渡辺は予算開始2ラップ目に2分5秒444と早くも5秒台に入れる。その後も6秒台前半のタイムで周回する。予選は2度の赤旗中断が入ったが集中力を切らすことなくタイヤを換えてタイムアタックに出る。2分5秒163のベストタイムでレース1は予選3番グリッドを獲得した。レース2も3番グリッドを獲得、2レース共フロントローからのスタートとなる。
▼10/31(土) 決勝 レース1
午後3時、決勝レース1がスタート。渡辺はスタートで出遅れ、6番手で2コーナーを立ち上がる。しかし「予選までの走りを考えれば普通に走れば3番手のポジションには戻れる」と至って冷静であった。その思い通りS字、ダンロップコーナーの進入で2台をかわして4番手で西コースへ向かう。さらに最終シケインの飛び込みでひとつ順位を上げ、オープニングラップで3台をパスしてコントロールラインを通過した。
渡辺は先頭を走るヤマハファクトリーの2台、中須賀選手、野左根選手(共にヤマハ)とほぼ同じラップタイムで周回する。それどころか、3周目には2分5秒486のファステストラップをたたき出す。その後も2分5秒台で連続周回、3台でのトップグループを展開。仕掛けどころを伺うが、そのまま3位でチェッカーを受けた。ここまでのセッション、この3台がアタマひとつ抜け出して速かった。一発のタイムはもちろんだが、アベレージタイムも速い。渡辺のアベレージも昨年より約1秒上回った。
▼11/1(日) 決勝 レース2
午後3時5分に16周のスタートが切られた。渡辺は6番手で1コーナーに進入するが2コーナーをコンパクトなラインでクリアすると4番手で2コーナーを立ち上がる。オープニングラップを4番手で通過すると2周目に2分6秒107のベストタイムをマークして前を追う。4周目、130Rからシケイン進入で3番手に浮上する。
前日のレース1と比べて路面コンディションが悪いのか上位陣は2分6秒台と全体的にペースが上がらない。渡辺も同様にペースを上げられないことに苦しんでいた。前日は2分5秒台で周回していたがレース2では2分6秒台中盤のペース。思うようにペースを上げられない中、必死に懸命に前を追うが3位でフィニッシュ。悔しさを滲ます3位表彰台であった。
しかし今シーズンはマシン開発を進めながらスポット参戦で4戦中3戦表彰台獲得という成績を残した。
これはチームが進めている開発の成果と言える。
そして、来季からヨシムラは世界に挑戦する。
これまでヨシムラがテクニカルアドバイザーとしてサポートしてきたFIM世界耐久参戦チーム、Suzuki Endurance Racing Teamとタッグを組み、2021シーズンはSUZUKIファクトリーチーム 「ヨシムラ SERT Motul 」として、FIM世界耐久選手権(EWC)にフル参戦する。
ヨシムラ SERT Motul は、24時間耐久レースを含む過酷な耐久レースにおいて、SUZUKI GSX-R1000Rのポテンシャルを存分に発揮させ、日本とフランスからなる合同の新チームのライダー・クルーで一丸となって頂点を目指す。
日本でファンの皆様に闘う姿を見せる機会は少なくなるかもしれませんが、来年の鈴鹿8耐でさらに進化したヨシムラの姿をお目にかけることができると思います。これからもヨシムラは常に頂点を目指して飽くなき挑戦に挑み続けます。引き続き皆さまからの熱いご声援を、何卒よろしくお願い致します。
渡辺一樹選手コメント
1本目の走行はSUGOからほぼ同じセットアップでトップに立て、初日からすごく良い流れでした。あれこれ試さず詰めの部分を考えるだけで良いくらい、マシンパッケージがまとまっていたので、今回新しいタイプのエンジンを搭載し、メリットを十分感じられる仕上がりとなっていました。
予選では1本目のタイヤで思ったほどタイムを出せなかった反面、決勝に向けて方向性を見出せました。2本目のタイヤでは狙ったタイムには届きませんでしたが、タイムアップを果たしフロントローを獲得できました。
決勝レース1はスタートを失敗しましたが、すぐにトップグループに追いつき、先を走るヤマハ2台と一緒に走っている間は、ずっと勝負の仕掛けどころを探っていました。残念ながら最後のひと伸びが足りませんでしたが、マシンは微調整で良い勝負ができると手応えを感じました。
レース2では路面コンディションが前日と違っていた様でタイヤのグリップに問題があり、ペースを上げることができませんでした。そこはデータを分析して解決すべき課題です。
「コンディションの変化に強いバイクを造る」を目標に開発し、手応えも感じていたのでレース2は残念でしたが、レース1でポテンシャルの高さを実証できたので、もっともっと良いレースを皆さまに観ていただくことができると思います。これからも応援をよろしくお願い致します。
加藤陽平監督コメント
昨日発表の通り来年、世界耐久選手権への参戦を計画しています。その計画の中、今年は全日本ロードレースには参戦せず、テストコースその他で開発テストを進めてきました。その中で評価してきたエンジン、シャーシ、制御、来季の耐久仕様のベースとなるそれらを実戦形式でどこまで通用するのかを試す機会がこの鈴鹿でした。
今回は、手応えのある成果と課題が見えるレースウィークになりました。成果はレース1でこれまでにない良いペースを最後まで保ちながら、トップ争いを出来た事。課題はレース2でみせた路面コンディションの変化に対応仕切れなかったことです。順位こそ同じ3位ですが、レース1と同じようなラップタイムを再現できませんでした。
来年は世界へ挑戦します。大きな敵に立ち向かい、倒すというヨシムラのアイデンティティーを貫きながら、日本でも多くのヨシムラファンの皆さまの前でレースを魅せる機会を引き続き作って行きたいと考えておりますので、応援の程を何卒よろしくお願い致します。
JSB1000決勝 レース1正式結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
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1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 29’23.663 |
2 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | +0.266 |
3 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000 | +1.004 |
JSB1000決勝 レース2正式結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
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1 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 33’43.102 |
2 | 清成 龍一 | Keihin Honda Dream SI Racing | CBR1000RR-R | +3.319 |
3 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000 | +8.334 |
JSB1000公式予選1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
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1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 2’04.128 |
2 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | +0.731 |
3 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +1.035 |
JSB1000公式予選2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
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1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 2’04.853 |
2 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | +0.288 |
3 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +0.421 |