2021 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 ボルドール24時間

日程 2021.09.17 , 09.18
サーキット ポール・リカールサーキット
ライダー グレッグ・ブラック / ザビエル・シメオン / シルバン・ギュントーリ / 渡辺 一樹 (リザーブライダー)
予選 1位
本戦 1位

ヨシムラSERT Motul ボルドール24時間耐久レースで完全勝利

2021年FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦、ボルドール24時間耐久レースが9月18日-19日の日程でフランス南部、ル・キャステレに位置する伝統のポールリカールサーキットで開催され、ヨシムラSERT Motulは圧倒的な勝利を収め、チャンピオンシップでもポイントリーダーに返り咲いた。

ヨシムラSERT Motulは予選から速さを見せ、新たなラップレコードを樹立してポールポジションを獲得。決勝ではスタートからゴールまでほぼリードを明け渡すことなく、24時間のレースをトップで引っ張り続ける展開となった。

この伝統的な大会が行われるのは実に84回目。ボルドール24時間では、今シーズンのEWCレースで初めて観客を入れての開催となり、詰めかけたファンの前でヨシムラSERT Motulはその強さを遺憾なく発揮する事となる。常にスタートライダーを務めているグレッグ・ブラック選手は、またもやGSX-R1000Rをホールショットに導き、幸先の良いレーススタートで観客を沸かせた。

序盤は各ワークスチームによる激しいトップ争いが行われたが、ヨシムラSERT Motulはこの先頭集団の中で常に冷静で着実なレースを進め、同時にこれらライバルに対して確かなプレッシャーをかけ続けた。

中盤では天候不順による難しさなどあったにもかかわらず、ブラック選手、ザビエル・シメオン選手、シルバン・ギュントーリ選手は常にレースをコントロール。真夜中過ぎに降りはじめた雨によりシメオン選手が軽い転倒を喫しはしたものの、これが24時間で唯一のトラブルであった。

シメオン選手の転倒後、ピットへと戻ったバイクを確認したメカニックは、軽度のダメージを迅速に修理。各部の点検を済ませコースに復帰した時は、トップとの差はわずかであり、ほどなくしてヨシムラSERT Motulは再びレースリーダーへと返り咲いた。

24時間もの間トップの座をほぼ明け渡すことなく快走したGSX-R1000Rは、チェッカーを受けた時には2位に19周もの差をつけ圧倒的な勝利を遂げていた。これに加えポールポジション獲得、レース8時間/16時間経過時にトップを走っていたことでそれぞれ加算されたポイント数の合計は65。これは獲得しうる最大のポイント数であり、合計141ポイントとなったヨシムラSERT Motulは、年間チャンピオンシップにおいて再びポイントリーダーとなり、来月モストで行われる最終戦を残しタイトルに王手をかけた。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー

勝利とたくさんのポイントを獲得してこのレースを終えることができたことを誇りに思います。ただピットにいた身としては長く、辛いレースに感じました。ライダー達も辛かったでしょう。レースをコントロールし、トップを走り続けるのは精神的になかなか苦しいもので、これは記憶に残るレースになりそうです。この勝利とそれによって得たポイントによりいくらか余裕を感じられるのは嬉しいことですが、ここで安心してはいけません。来月に迫っている最終戦も厳しい戦いになることでしょうし、何よりも知らないサーキットですからね。慎重に、そして常に集中して……ポイントというのは得るのは難しく、他に奪われるのは簡単ですから。

加藤陽平 チームディレクター

とても長くタフなレースでした。全てが予定通りにうまく行き、再び勝つことができとても嬉しく思います。ただ競合チーム達はトラブルに泣かされたレースとなったので、次々と不運に見舞われた事はライバルとは言え、大変残念に思いました。もちろんヨシムラSERT Motulにとっても非常に難しいレースでしたが、私たちはやるべき事に集中し乗り越えることができました。今回の24時間もミス無く戦ってくれたチームに感謝します。これは関わった全ての人のサポートなくして成しえなかった勝利です。最終戦もチャンピオンシップを勝ち取るために全力を尽くしていきます。

グレッグ・ブラック 選手

2019年は荒天により短縮されたレースでしたが、歴史あるボルドールで2連勝を達成できて嬉しいです。今年のレースは前回よりも難しく、精神的に消耗しました。チャンピオンシップではリードを許していたので、最初の目標をポールポジション獲得とし、チームはこれに全力を注ぎ成功しました。決勝におけるプランは、常に集中し着実にレースを遂行していくことで、それに全神経を注ぎました。チームが最終的に勝利できたということは、このアプローチを守れた証拠でしょう。

ザビエル・シメオン 選手

最初のスティントから終盤までとても気持ち良く走れ、夜間走行での突然の雨で僅かなミスをしてしまったものの、問題なくレースは展開していきました。スタート時から目標とするラップタイムを設定し、そのプラン通りに走り、そして勝利しました。チーム全員が予定通りやるべき事をやった結果です。その事に尽きます。

シルバン・ギュントーリ 選手

耐久レースとは長いもの。特にこのレースは先頭を走り、ミスなく後続とのギャップをコントロールしなければいけなかったため、いつもにも増して長く感じました。追い上げる側にいる時はアタックすることに集中していますから、色々と思いを巡らせている余裕はありません。だから今回のボルドールは見た目や結果から連想するよりかなりハードなものでした。レースというのは運もありますが、ヨシムラSERT Motulは本当に全ての要素が揃っています。ライダー達は一貫して常に速く、GSX-R1000Rは素晴らしいポテンシャルを持ち、チーム力はこれまでのキャリアで経験してきた中でもトップクラス。耐久レースの経験が浅い自分としては、EWC参戦一年目にしてボルドールとル・マン、2つの24時間耐久レースで勝てるなんて夢のようです。

決勝レース結果

順位 チーム マシン 周回数
1 ヨシムラSERT Motul SUZUKI GSX-R1000R 704ラップ
2 MOTO AIN YAMAHA YZF-R1 685ラップ
3 BMRT 3D MAXXESS NEVERS Kawasaki ZX-10R 681ラップ



公式予選

順位 チーム マシン 平均タイム
1 ヨシムラSERT Motul SUZUKI GSX-R1000R 1:52.772
2 YART – Yamaha Official Team EWC YAMAHA YZF-R1 +0.405
3 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR +0.848



ポイントランキング

順位 チーム ポイント
1 ヨシムラSERT Motul 141P
2 VRD IGOL EXPERIENCES 105P
3 F.C.C. TSR Honda France 89P
4 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR 87P
5 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM 84P
6 MOTO AIN 72P
7 Motobox Kremer Racing #65 64P
8 ERC Endurance Ducati 57P
9 MACO RACING Team 54P
10 YART – Yamaha Official Team EWC 47P
11 Wojcik Racing Team 31P
12 Team LRP Poland 29P
13 TATI TEAM BERINGER RACING 26P
14 EMRT Endurance Monaco Racing Team 22P
15 Team Bolliger Switzerland #8 19P
16 gt endurance 18P
17 3ART BEST OF BIKE 13P

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