全日本ロードレース選手権(JSB1000クラス) Rd.3 オートポリス

日程 2022.05.20 , 05.21
サーキット オートポリス (大分)
ライダー 渡辺 一樹
予選 予選1 : 4位 / 予選2 : 3位
本戦 レース1 : 3位 / レース2 : 3位

満身創痍で獲得した2つの3位表彰台

雨の鈴鹿2&4レースで渡辺一樹が繰り広げた激しいトップ争いは、多くのレースファンに感動を与え大きな反響を呼んだ。大分県・オートポリスで開催のSUPER 2&4 RACEでは悲願の勝利を目指してチームと取り組む。
しかし前週に宮城県・スポーツランドSUGOで行われた第4戦に向けた合同テスト初日で渡辺が転倒。腰を強打し、背骨の横突起を骨折してしまう。今回のレースへ出場も危ぶまれたほどだったが、メディカルのチェックを受け、出場が可能となっていた。

金曜日のART合同走行からレースウイークはスタート。渡辺がオートポリスを走るのは2019年以来3年振り。身体がどれだけ動くか確認しながらタイヤチョイスから始め、やることは山積みだった。

公式予選(土曜日)
8:40から行われた公式予選。夜のうちに降った雨の影響で、路面は濡れている部分がかなり残ったままでのスタート。セッションが進めば、ライン上は乾くことが予想されたが、気温が低く時おり小雨が落ちる難しい状況が続いた。セッション終盤にスリックタイヤを履いてタイムを出すライダーもいたが、身体やマシンセットの状態を総合的に判断し、ウエットタイヤのまま走り、4番手タイムをマーク。セカンドタイムでは3番手となり、レース2ではフロントロウを確保した。

レース1(土曜日)
天気も回復しドライコンディションで行われたレース1。ポールポジションスタートの#6亀井選手(Honda)がウォーミングアップでトラブルが発生しピットイン。渡辺の前のグリッドが空席のままスタートが切られる。渡辺は、1コーナーに4番手で入り、下りの右50Rで1台をかわし3番手に浮上。#1中須賀選手(YAMAHA)、#29岡本選手(YAMAHA)、に続きトップグループにつけていたが、中須賀選手がペースを上げると、差が開き始めた。中盤以降は、身体の状態が厳しく、マシンを抑え切ることができず、何度も振られる場面があったが、岡本選手と2位争いを繰り広げていた。しかし、ラスト2周を切った14周目の第2ヘアピンでオーバーランしてしまう。すぐに戦列に復帰し3位でチェッカーフラッグを受け表彰台を獲得した。

パルクフェルメに戻って来た渡辺は、自分でマシンを降りることもできず、加賀山マネージャーに肩をかりて表彰台に向かうほどの状態ながらレースを走り切った。

レース2(日曜日)
レース1後に身体のケアを受け、翌朝の身体の状態は良くなっているように感じたという渡辺。レース2は、レース1より3周多い18周で争われた。

スターティンググリッドは、亀井選手、中須賀選手、3番グリッドが渡辺と続く。スタートは悪くなかったが、1コーナー手前で周りにのまれ6番手にポジションを下げてしまう。オープニングラップのうちに5番手に上がり、前を走る岡本選手をペースメーカーにトップに追いついていく。

亀井選手を先頭に、中須賀選手、岡本選手、そして渡辺が続き一時は4台のトップグループとなっていた。9周目には、岡本選手が一気にトップに立ち、渡辺も10周目に亀井選手をかわし3番手に上がるが、後半セクションのブリッジ下で大きくスライド。あわや転倒という際どいシーンを何とか持ちこたえるが、4番手にポジションダウン。ここで「絶対に無事に戻ってこい」とスタート前に加賀山チームマネージャーに言われたことを思い出し、現状でできることをやろうと気持ちを切り換えた渡辺は、亀井選手と3位争いを繰り広げる。そして最終ラップの1コーナーで勝負に出た渡辺は、3位でチェッカーフラッグを受けた。

渡辺一樹 ライダー コメント

前の週の合同テストで転倒し、負傷したことでチームを始め多くの皆さんにご心配とご迷惑をおかけしました。身体の状態からチームが少しでも乗りやすい様にとマシンセッティングも工夫してくれて、安心して乗ることができました。
気持ちの面でも加賀山チームマネージャーを始めとするスタッフ皆に支えてもらい、感謝しています。
痛みとの戦いのウィークになりましたが、次戦SUGOに向けて怪我を治し、良いレースができる様に準備していきます。

加賀山就臣 チームマネージャーコメント

怪我の痛みで身体が思うように動かない中、表彰台を2つ獲得できたので、チームの現状ではベストの結果となりました。レースに勝つことはできませんでしたが、痛みに打ち勝った熱意ある姿を通し、一樹のファイティングスピリッツを皆さんに感じて頂けたことでしょう。
次戦のSUGOまで時間は限られていますが、チームとして最善を尽くせるように準備を進めます。

JSB1000 公式予選結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 亀井 雄大 Honda Suzuka Racing Team CBR1000RR-R 1’55.665
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +2.219
3

津田 一磨

BabyFace Powered by YOSHIMURA GSX-R1000R +2.460
4

渡辺 一樹

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN GSX-R1000R +2.718

JSB1000決勝 レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 27’19.799
2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 YZF-R1 +5.991
3

渡辺 一樹

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN GSX-R1000R +13.842

JSB1000 公式予選セカンドラップタイム

順位 ライダー チーム マシン タイム
1

亀井 雄大

Honda Suzuka Racing Team CBR1000RR-R 1’56.813
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +1.247
3

渡辺 一樹

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN GSX-R1000R +2.239

JSB1000決勝 レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 32’50.687
2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 YZF-R1 +2.072
3

渡辺 一樹

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN GSX-R1000R +9.448

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 150P
2 渡辺 一樹 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN 108P
3 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 103P
4 濱原 颯道 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 69P
5 岩田 悟 Team ATJ 53P
6 亀井 雄大 Honda Suzuka Racing Team 52P
7 作本 輝介 AstemoHondaDreamSIRacing 49P
8 榎戸 育寛 SDG Motor Sports RT HARC-PRO. 40P
9 柳川 明 KRP SANYOUKOUGYO RSITOH 33P
10 関口 太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE 29P

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