2024 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 鈴鹿8時間耐久ロードレース 予選

ヨシムラSERT Motul　TOP10 TRIALで5番手グリッド獲得

開幕戦ルマン24時間で優勝、続くスパ8時間で2位という成績を収め、ヨシムラSERT Motulはチャンピオンシップリーダーとしてスズキとヨシムラのホームコースとなる鈴鹿に戻ってきた。
今年45回大会を迎えるこの鈴鹿8耐は「真夏の祭典」と昔から言われてきているが、猛暑と湿度の高さ、そしてコースの難易度から24時間レースを戦うライダーからも体力的にとても厳しいといわれてきている。

今大会、ヨシムラSERT Motulは通常と異なるライダーラインナップでレースに挑むことになった。
まずはレギュラーライダーのエティエンヌ・マッソン選手がTeam SUZUKI CN CHALLENGEに招集され、燃料をはじめ、タイヤやオイルなどにサステナブルアイテムを採用し、この鈴鹿8耐で実験的クラスとして設定される「エクスペリメンタルクラス」より参戦することになったことで、チームの開発ライダー兼24時間耐久でのリザーブライダーを担う渥美心選手が起用された。また6月に行われたテスト中に転倒し負傷してしまったグレッグ・ブラック選手の代役として、Moto2に参戦中の27歳、スペイン人のアルベルト・アレナス選手の参戦が急遽決まった。そして今シーズンよりチームのレギュラーライダーとして参戦するダン・リンフット選手という3名でのラインナップとなる。

7月19日（金）より大会が公式にスタートされ、その日の予選にて鈴鹿サーキットを得意とする渥美選手は2’06.079でこのウィークでのチームベストタイムを記録した。リンフット選手も果敢にタイムアタックをし、2‘06.402のタイムでスズキGSX-R1000Rのポテンシャルを証明した。アレナス選手は急な参戦決定により日本の到着が水曜の夕方となったため、この予選日が初走行となったにも関わらず、初のマシン、鈴鹿サーキット、ブリヂストンタイヤ、世界耐久戦という中で2’08.017をマーク。素晴らしい適応能力をみせた。
この日ヨシムラSERT Motulは予選からの計算方式により4番手となり、土曜日に行われるTOP10 TRIALに駒を進めた。

そのTOP10 TRIALのセッションは金曜日からの上位10チーム、各2名のライダーにより1周だけのアタックが行われ、その結果で最終グリッドが決まる。先に出走したリンフット選手が2‘06.097というチームベストを叩き出し総合で5番手、貴重な1ポイントを獲得した。

加藤陽平　チームディレクター
TOP10 TRIALを終えて5番手からのスタートが決まりました。もう少し上に行きたかったですが、耐久レースにおいてグリッドの少しの差はあまり重要には感じておりません。予選やプラクティスセッションではいい走りができていましたし、8時間のレースを戦う準備が整っています。またチーム全体がしっかり機能していて、ライダーも安定した速さをみせていますので、しっかりと優勝争いをしていきたいと思っています。

ダミアン・ソルニエ　チームマネージャー
鈴鹿に来るのはいつも特別な感覚がありますが、いつもと違うライダーラインナップで戦うことになったので、今年は更に特別なレースに感じます。急遽参戦が決まったアルベルトは全て初めて尽くしの中、よくやっています。ダンはとても積極的でチームに良い影響をもたらしていますし、何よりTOP10 TRIALで良いタイムを出してくれました。ココロは鈴鹿を熟知しているので安定して良い走りをみせてくれています。ライダー全員がいいフィーリングでマシンに乗っていますし、テクニカルスタッフも素晴らしい仕事で満足しています。ここ鈴鹿ではヨシムラから日本人スタッフのサポートがありますが、そのコラボレーションもしっかりできていて、レースは自信を持って臨むことができます。

渥美 心 選手　[ライダーブルー]
ヨシムラSERT Motulから世界耐久戦に正ライダーとして出場するのは今大会が初めてで、とても嬉しく思っています。ウィークを通して今までマシンのフィーリングはとても良いですし、プラクティスセッションでのレースを想定したロングランでも予選のタイムアタックでも良いペースで走ることができました。レース本番では今まで積み上げてきたものを出し切って走り抜く自信がありますし、優勝に向けての可能性も信じています。最大の目標は最終戦をランキング首位で迎えることなので、チャンピオンシップで貢献できる様に頑張ります。

アルベルト・アルナス 選手　[ライダーイエロー]
僕が鈴鹿に到着できたのは水曜日の夕方だったので、全てがあっという間でした。金曜・土曜と2日間で限られた走行時間しかなかったのですが、スタッフの対応がとてもよく素晴らしいチームメイトにも恵まれて短時間で適応することができました。マシンはよく機能しているし、鈴鹿のコースは難しいけれど素晴らしいと感じています。この暑さの中を走行するのはとてもハードに感じますが、それでもライディングを楽しむことができました。まず自分ができることは可能な限りチームの力になることです。この様な機会を得られてとても嬉しいですし、チームの皆さんや関係者に感謝しています。

ダン・リンフット 選手　[ライダーレッド]
予選はとてもうまく行きました。TOP10 TRIALで5秒台に入れたかったというのが本音ですが、5番手スタートは十分な結果ですし、重要なのは決勝レースです。この8時間は日本特有の暑さで体力を消耗し、長く難しく感じることでしょう。目標はもちろん優勝ですが、少なくても表彰台に上がりたいですね。ただし鈴鹿のレースは他のEWC戦に参戦しない地元の速いチームやライダーがたくさんエントリーしているので、簡単にはいかないと思います。でもヨシムラSERT Motulの努力が実を結ぶ様に、決勝で結果を残したいです。