2024 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.4 ボルドール24時間レース 予選

日程 2024.09.12 , 09.13
サーキット ポールリカール・サーキット (フランス)
ライダー グレッグ・ブラック / エティエンヌ・マッソン / ダン・リンフット / 渥美 心 (リザーブライダー)
予選 3位

タイトル奪還に向け最終戦ボルドール24時間を3番手グリッドから発進

2024年FIM世界耐久選手権の最終戦が、今週末フランスのポール・リカール・サーキットで開催される。この伝統のレース、ボルドール24時間は、今年のシリーズチャンピオンが決まる戦いとなっており、現在ランキング2位のヨシムラSERT Motulは、タイトル奪還に向けて意欲を燃やしている。

今シーズン、フランスで行われた開幕戦ルマン24時間で優勝した日仏チームは、続くベルギーのスパ8時間で2位、日本の鈴鹿8耐で3位を獲得と、全戦で表彰台獲得という好成績でチャンピオンシップを争っている。

今年ボルドール24時間には45チームがエントリーし、9月12日(木)から公式セッションが行われた。

このウィークは台風並みの強い風により難しいコンディションではあったが、ヨシムラ SERT Motulのライダーたちは安定した走りで決勝に向けてスズキGSX-R1000Rのセットアップを行った。 予選1、ライダーブルーのグレッグ・ブラック選手が最初に出走。1’53.116のベストタイムをマークし、セッション3番手につけた。続くライダーイエローのエティエンヌ・マッソン選手も1’54.234の好タイムをマークし、グループ5番手となった。ライダーレッドのダン・リンフット選手の予選は最終アタック中に赤旗中断となり、再スタートの時間がなかったため、1’55.965という結果となった。リザーブライダーの渥美心選手は、ウィーク中に走行の機会がなく、ぶっつけ本番となってしまったが、強風が吹き荒れる中で徐々にペースをつかみ、1’57.754をマーク。12位でフィニッシュした。集計により予選1終了時点で、ヨシムラ SERT Motulは予選暫定3番手となった。

9月13日(金)に行われた予選2。最初にコースインしたブラック選手のマシンにまさかのテクニカルトラブルが発生。セッション終盤にコースへ復帰したものの、十分なタイムアタックの時間がなく前日に記録したタイムを更新することはできなかった。マッソン選手は落ち着いた走りで前日のタイムを更新しグループ3番手の1’53.360を記録。リンフット選手は前日の悔しさを払拭する走りで、ベストラップ1’52.762をマークしセッション2番手。渥美選手はチームのテストを兼ねて出走し、1’55.401のタイムで予選を終え、チーム全体に貢献した。

ヨシムラSERT Motulはシーズン最終戦となるボルドール24時間の予選で安定した走りを見せ、予選タイムは2つの最速ラップを平均した1’52.939を記録。決勝に向けて3番手グリッドを獲得し、チャンピオンシップでの3ポイントを獲得した。

加藤陽平 チームディレクター

どのチームも同じ条件ですが、強風に悩まされてなかなかタイムアップに繋げられませんでした。でもレースの準備はしっかりと進められていますし、どの様なコンディションにも対応できる内容にまとまっています。予選のセッション自体は満足できる結果ではありませんでしたが、3位を獲得できたので悪くはないですね。チームはいつも予選より決勝のほうが良いパフォーマンスを発揮できるので、ライダーもクルーたちも自信を持って決勝に挑めるでしょう。プラン通りに24時間しっかり戦えれば、世界チャンピオンのタイトル奪還という目標を達成できるはずなので、この最終戦も最後まで集中していきます。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー

予選結果でライバルに1ポイント差を広げられてしまいましたが、特に問題はありません。ライダーたちがマシンのフィーリングをつかみ、パフォーマンスを向上させることができたので良い形で決勝レースに挑むことができます。特にダンが良いタイムを出してくれたことは、大きな前進だと思っています。全てはこの最終戦のレースにかかっていて、プレッシャーは高まってきていますが、チームの仕事ぶりやマシン、タイヤについて不安材料は全くありません。レース序盤は慎重かつアグレッシブに攻めていく必要がありますが、チャンピオンシップに向けて8時間と16時間でのポイント獲得時の順位が勝負を左右していくでしょう。レースが進むにつれて注意深くライバルの状況を観察し、良い位置でチェッカーを受けたいと思います。

グレッグ・ブラック選手 [ライダーブルー]

鈴鹿のテストで手首を負傷してしまいましたが、最終戦に復帰が間に合ってとても嬉しいです。まだ少し違和感はありますが、走行中のフィーリングは問題ありません。予選2ではマシンにちょっとしたテクニカルトラブルが発生し、タイムアタックのチャンスを逃してしまいました。もっと上のグリッドにつけるポテンシャルがあったので少しがっかりしていますが、僕たちはいつもレースで最高のパフォーマンスを発揮できるので、このタフな24時間の決勝レースは自信を持って挑めます。

エティエンヌ・マッソン選手 [ライダーイエロー]

全チーム同じ条件だったとはいえ僕たちは風の影響を大きく受けてしまい、いつも通りのマシンの感覚が得られず、予選で思っていた通りのタイムを出せませんでした。でも僕らの強みはレースでのパフォーマンスなので、心配はしていません。それに週末は風が弱まるという予報が出ているので、バイクのフィーリングは取り戻せるはずですね。グレッグが怪我から復帰して問題なく走れていることも安心材料です。チームはいつも以上に結束力が強く、皆が良いモチベーションで決勝に向けて準備を進めています。

ダン・リンフット選手 [ライダーレッド]

ライバルとのポイント差が広がってしまったので少しがっかりしていますが、僅か1ポイントなので決勝で取り返しが可能ですし、僕たちの最大の目標はチャンピオンシップで勝つことなので、そこに集中するのみです。24時間という長いレースでは何が起こるかわかりませんが、優勝もタイトル獲得もチャンスは十分にあります。予選は風の影響で思い通りのパフォーマンスを発揮できなかったのですが、決勝では風が弱まるということで、改めてしっかりとしたレース展開で、チームの皆とチェッカーまで集中して戦い抜きます。

渥美心選手 [ライダーグリーン]

このウィークでは自分が走れる機会が限られていたのですが、予選では新しいタイヤでの走行ができました。とにかく風が強くて難しいコンディションでしたが、このウィークにレギュラーライダーが戻ってからマシンはさらに良くなりチームの結束も強くなっています。チームメイトは安定した走りでテストや予選をこなしているので、チームが今年もボルドールで優勝しチャンピオンタイトルを獲得できるように、決勝中もできる限りのサポートをしていきます。

順位チームマシンベスト平均タイム
1BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M1000RR1’52.049
2YART – YAMAHAYMAHA YZF-R11’52.692
3YOSHIMURA SERT MotulSUZUKI GSX-R1000R1’52.939
4HONDA VITALS RACINGHONDA CBR1000RR-R1’52.993
5F.C.C. TSR HONDA FRANCEHONDA CBR1000RR-R1’53.560

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