第37回大会 レースレポート
日程 | 2014.07.24 , 07.25 , 07.26 |
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サーキット | 鈴鹿サーキット (三重県) |
ライダー | #12 辻本 聡 / #12 ケビン・シュワンツ / #12 青木 宣篤 / #34 津田 拓也 / #34 ジョシュ・ウォーターズ / #34 ランディ・ドゥ・プニエ |
予選 | #12 10位 #34 1位 |
本戦 | #12 リタイヤ #34 2位 |
ヨシムラスズキ シェルアドバンス 2年連続2位表彰台を獲得
~レジェンド of ヨシムラスズキ シェルアドバンスは転倒リタイヤ~
ヨシムラ創立60周年となる、節目の2014年。ヨシムラスズキは2008年以来の2台体制で鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦。1チームはゼッケン34津田拓也/ジョシュ・ウォーターズ/ランディ・ドゥ・プニエ組で、もう1チームは「レジェンドofヨシムラスズキ」とネーミングした、ゼッケン12ケビン・シュワンツ/辻本聡/青木宣篤組だ。#34は言うまでもなく、ヨシムラが優勝を狙うエースチームで、#12はヨシムラ創立60周年のメモリアルチームという意味合いながら、ともに優勝を狙っていくチームであることに変わりはない。
7月25日(金)
2度の事前テストを終えてレースウィークに突入した7月25日 金曜日。梅雨明けして1週間ほどの鈴鹿サーキットは、例年以上の酷暑に見舞われ、この日は気温34度、路面温度60度オーバーを記録。事前テストにもなかったコンディションでの走行となったものの、この日は午前にフリー走行、午後に公式計時予選が行なわれ、計時予選では、上位10チームのみが土曜日に行なわれる「トップ10トライアル」に出場し、グリッド順を決めるセッションに進むことができる。
午前のフリー走行では、#34チームは3番手、#12チームは9番手タイムをマーク。そして午後の公式予選では、3人のライダーに合計7本という厳しいタイヤ仕様本数制限が課せられる中、#34は津田がチームベスト2分08秒752をマークして4番手となり、トップ10トライアル出場権利を獲得。そして#12は、シュワンツが組別19番手、辻本が組別30番手とトップ10トライアル進出が危ぶまれるなか、最後に出場した青木がチームベスト2分09秒338をマークして組別4番手タイムを獲得し、総合9番手でトップ10トライアル進出を果たすことができた。
7月26日(土)
この日はサポートレースの鈴鹿4時間耐久と、鈴鹿8耐のフリー走行、そしてトップ10トライアルが行なわれる。フリー走行では、#34が6番手タイムをマークし、#12は10番手。ヨシムラの2チームともが着実にマシンのセットアップを進め、トップ10トライアルに駒を進めることとなった。
そのトップ10トライアルでは、先に登場した#12シュワンツが2分10秒172のタイムをマークして、トライアル進出10チーム中、先発の5チームライダーのうち3番手タイムをマーク。青木は2分09秒775をマークし、5チーム中5位のタイムでトライアルを終了した。
後発5チームに出場した#34は、まずドゥ・プニエが2分08秒647と5チーム中3番手タイムをマークし、津田は2分06秒703と、ただひとりラップタイムを2分06秒台に入れるスーパーラップをマークし、ポールポジションを獲得。#12は10番手、そして#34は2011年大会以来、3年ぶりのポールポジションの座を獲得することとなった。
7月27日(日)
いよいよ決勝レースを迎えた27日。この日の鈴鹿は、朝から雲が多いながら晴天となり、朝のフリー走行では#34が3番手、#12が5番手タイムをマーク。ついに決勝レーススタートの11時半を待つのみとなったものの、開始直前に雨が降り始め、赤旗が提示されてスタート時刻を変更。当初15分遅れでスタートと発表されたものの、降り出した雨が豪雨となり、スタート予定時刻が再び変更。結局レースは12時35分にスタートすることが決定し、終了時刻は変更されないため、今大会の決勝レースは6時間55分で争われることになった。
各車レインタイヤ、コースはフルウェットでの決勝レース。スタートはD・エガーター(チームカガヤマ)がホールショットを奪い、B・パークス(モンスターヤマハ)、山口辰也(TOHOホンダ)に続き、#34津田が4番手あたりと、まずまずのスタート。津田はすぐに順位を上げ、S字コーナーでトップに立った山口に続き、2番手に浮上。しかし、シケインで秋吉耕佑(TSRホンダ)にかわされ、3番手でオープニングラップを終了。#12のスタートライダー青木も、10番グリッドスタートから津田の後方に迫り、5番手で2周目へ。青木はそのままパークスをかわして4番手に上がると、3番手を走る津田にみるみる迫り、5周目には背後につけてパッシングのチャンスをうかがう展開に。
そして青木は5周目の130Rで津田をかわしたものの、そのままオーバーランを喫して転倒。マシンの損傷がひどく、青木は救急車でメディカルセンターへ、その後ドクターヘリで緊急搬送されることとなった。
今大会の目玉のひとつでもあった#12レジェンドofヨシムラスズキのアクシデントにサーキットが騒然とするなか、レースはそのまま進行。オーダーは秋吉をトップに、山口に続いて津田が3番手を走行していたものの、思うようにペースアップができず、8周目に後方から追い上げてきた高橋巧(ハルクプロホンダ)にかわされて4番手へ。コースはウェット路面からラインドライ、そしてドライ路面へと変化していく難しいコンディションのなか、津田は18周目には日浦大治朗(鈴鹿レーシングホンダ)にもかわされて5番手にポジションを落としてしまう。
#34ヨシムラは26周目にピットイン。雨はやみ、コースはほぼ完全ドライとなる2スティント目で、ジョシュ・ウォーターズが3番手でコースイン。ウォーターズは前を行く2番手L・ハスラム(ハルクプロホンダ)を追うものの、レース開始2時間を前に再び雨が降り始め、ウォーターズは50周目にピットイン。一時は渡辺一樹(カワサキ)にかわされたものの、渡辺は転倒を喫し、トップ争いから脱落。コースにはセーフティカーが介入することとなった。
#34ヨシムラは、レインの走行ということで再び津田が出走し、3スティント目にはハルクプロが順位を落とし、津田は秋吉-加賀山(チームカガヤマ)に続く3番手で周回。59周目には秋吉にかわされ、トップから1周遅れの3番手となった。
73周目には津田がピットインし、4スティント目のライダーとしてドゥ・プニエがコースイン。ドゥ・プニエはすぐに2番手に上がり、3番手に最大13秒ほどの差をつけてポジションをキープ。コースはまたドライコンディションとなり、ドゥ・プニエは94周目にM・Vd・マーク(ハルクプロ)にかわされて3番手に転落。100周目ごろには再び転倒車が出たことでセーフティカーが導入され、ドゥ・プニエがピットイン。5スティント目は津田の3回目の走行となる。
レースは4時間が経過し、#34ヨシムラは、#11TSRホンダに1周遅れ、#634ハルクプロホンダと同一周回で3番手をキープ。しかし108周目にトップを走っていた秋吉が転倒し、#34ヨシムラは2番手に浮上。この時点でトップ#634ハルクプロホンダと47秒の差で周回を重ねていた。
レースが5時間を経過した頃、#34ヨシムラは津田からドゥ・プニエへのライダーチェンジ。ドゥ・プニエはこのスティントで、この日のチームベストである2分09秒166をマークするなど、トップを走る#634ハルクプロホンダを追うものの、#634ハルクプロホンダのVd・マークも、このスティントでそれを上回る2分08秒620をマークし、その差は縮まることはなく、最終スティントでドゥ・プニエからウォーターズへ最後のライダー交代。
しかしレース5時間半を過ぎると、転倒車やコースへのオイル流出もあり、2度のセーフティカー介入もありレース展開は混沌。ライトオンサイン後、ヨシムラ34号車のライトが点灯しなかった局面があったものの、走行中に自然に点灯し、そのまま走行を続行。結局#34ヨシムラは、#634ハルクプロホンダと同一周回でレースをフィニッシュ。2年連続2位表彰台を獲得したレースとなった。