<1-1 まえがき>
2007年初夏に市販を開始したHEAD KITの実戦耐久テストの仕上げとして、鈴鹿ミニモト4耐参戦プロジェクトの商品開発(YS)メンバーは、レースを最高の結果で終了しました。レース後のエンジンを分解、点検、確認し、そして一般公開する事によりこの市販のHEAD KITの耐久性に問題がなかった事を実証出来ました。そして当初の目的である実戦耐久性の確認を達成し、一番良い形でミニモト参戦プロジェクトを完結する事が出来ました。
<1-2 今回のプロジェクト(20psへの道) の目的>
次のステージとして4ストロークエンジンに対して行う基本的(ヨシムラが提案する)なチューニングと市販前提の新たなチューニングパーツの投入を行い、このHEAD KITの限界性能を探って行きたいと思います。そこで今回は、『排気量を変えずに20ps※を超える』という明確な数値目標を定め、このHEAD KITをワンランク上のステージに上げることを目的とします。※本文中にある馬力の数値データは弊社内シャーシダイナモで計測した実測値です。
<1-3 概要>
07年MINI-MOTO出場車両をベースに追加チューニングを施し(MINI-MOTOではリストリクターによるパワー制限があった)、124.9ccの排気量を変えずに14,000rpmまで回るエンジンを製作し、後軸出力で20ps以上を目指します。そして20psを達成した段階でサーキットに持ち込み、レーシングスピードテストを行なうことにより信頼性の確認をします。<1-5 実験部品>
- YOSHIMURA HEAD KIT 125cc
- カムチェーンテンショナーアシストKIT for YOSHIMURA HEAD
- TMR-MJN32 SINGLE for YOSHIMURA 125 (試作品)
- DUAL STACK FUNNEL SYSTEM BASIC-KIT for TMR32 (試作品)
- ST-3 CAMSHAFT for YOSHIMURA HEAD (試作品)
- レーシングハーネスキット for NSF100 (試作品)
- 他
<1-6 実験装置>
DYNO JET社製シャーシダイナモ (リターダー付き)